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内科

健診で「eGFRが低い」と言われたら? 腎臓のサインを見逃さないために

健康診断で「クレアチニンが高い」「eGFRが低い」と言われたことはありますか?

慢性腎臓病(CKD)は、日本人の約8人に1人が抱えているとされる、非常に身近な病気です。しかし初期はほとんど症状がなく、気づいたときにはかなり進行していることも少なくありません。

今回は、慢性腎臓病の基本的な仕組みとリスクについてわかりやすく解説します。

 

腎臓ってどんな働きをしているの?

腎臓は左右の背中側に1つずつある、こぶし大の臓器です。

主な働きとしては以下のものがあります。

  • 血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として排出する
  • 血圧を調整する
  • 骨髄での赤血球づくりをコントロールする
  • 骨を強くするビタミンDを活性化する

腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、機能が半分以下に落ちても自覚症状が出にくいのが特徴です。

 

慢性腎臓病(CKD)とは?

慢性腎臓病とは、腎臓の機能が3ヶ月以上にわたって低下している状態のことです。

健診でよく使われる指標が eGFR(推算糸球体濾過量) です。腎臓がどれだけ血液をろ過できているかを示す数値で、60未満が続く場合は要注意です。

eGFRの数値 腎臓の状態
90以上 正常〜軽度低下
60〜89 軽度〜中等度低下
30〜59 中等度〜高度低下(要治療)
15〜29 高度低下(透析準備を検討)
15未満 腎不全(透析・移植が必要)

慢性腎臓病になりやすい人は?

以下の病気や生活習慣がある方は、リスクが高まります。

  • 糖尿病(腎症は透析原因の第1位)
  • 高血圧(腎臓の血管を傷める)
  • 脂質異常症・肥満
  • 喫煙・過度の飲酒
  • 痛み止め(NSAIDs)の長期服用
  • 家族に腎臓病の方がいる

糖尿病・高血圧を持っている方は、特に定期的な腎機能チェックが大切です。

 

放置するとどうなるの?

慢性腎臓病が進行すると、最終的に人工透析が必要になります。

透析になると、週に3回・1回4〜5時間の通院が生涯続きます。生活への影響がとても大きいため、進行させないことが何より重要です。

また、腎機能が低下すると心不全や心筋梗塞、脳卒中のリスクも大幅に高まることがわかっています。腎臓は心臓や血管とも密接に関係しているのです。

 

早期発見・進行を防ぐために

慢性腎臓病は、早期に発見して適切に管理すれば進行を大きく遅らせることができます。

近年、慢性腎臓病の進行を抑えるための薬が出現し、当院でも多くの患者様に内服して頂いております。

日常生活でできることは以下の通りです。

  • 塩分を控える(1日6g未満が目標)
  • たんぱく質の摂り過ぎに注意する
  • 血圧・血糖値を適切にコントロールする
  • 水分をこまめに摂る
  • 禁煙する
  • 市販の痛み止めを多用しない

 

まとめ

  • 慢性腎臓病は日本人の約8人に1人が抱える身近な病気
  • eGFR 60未満が続く場合は要注意
  • 糖尿病・高血圧がある方は特にリスクが高い
  • 進行すると透析が必要になり、心筋梗塞・脳卒中リスクも上がる
  • 早期発見・投薬・生活習慣の改善で進行を防ぐことができる

健診でeGFRやクレアチニンの異常を指摘された方は、早めにご相談ください。

当クリニックでは、腎機能の精密検査や、糖尿病・高血圧と合わせた総合的な管理を行っています。気になる方はお気軽にご来院ください。

内科

善玉・悪玉・中性脂肪——検査結果の見方と脂質異常症をやさしく解説

健康診断で「コレステロールが高い」「中性脂肪が高い」と指摘されたことはありますか?

自覚症状がないため、「食事に気をつければ大丈夫」と軽く考えてしまう方も多いです。しかし脂質異常症は、心筋梗塞や脳卒中の大きなリスク因子のひとつです。

今回は、コレステロールの種類と脂質異常症のリスクについてわかりやすく解説します。

 

コレステロールは「悪者」じゃない

「コレステロール=体に悪いもの」と思っていませんか?

実はコレステロールは、細胞膜やホルモンの材料となる、体に必要な成分です。問題になるのは、そのバランスが崩れたときです。

 

LDL・HDL・中性脂肪、何が違うの?

健診の結果票によく出てくる3つの数値を整理しましょう。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

肝臓から全身にコレステロールを運ぶ役割を持ちます。多すぎると血管の壁に溜まり、動脈硬化の原因になります。

HDLコレステロール(善玉コレステロール)

血管に溜まった余分なコレステロールを肝臓に回収する役割を持ちます。数値が高いほど動脈硬化を防ぐ働きがあります。

中性脂肪(トリグリセリド)

食事から摂ったエネルギーが余ると、中性脂肪として蓄えられます。高い状態が続くと、動脈硬化を進めるとともに急性膵炎のリスクにもなります。

 

脂質異常症の診断基準

項目 基準値 判定
LDLコレステロール 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症
中性脂肪 150mg/dL以上 高トリグリセリド血症

いずれか1つでも当てはまる場合、脂質異常症と診断されます。

 

放置するとどうなるの?

脂質異常症は、自覚症状がないまま動脈硬化をじわじわと進行させます。

血管の内側にLDLコレステロールが蓄積し、「プラーク」と呼ばれるコブができます。このプラークが破裂すると血栓(血のかたまり)ができ、血管を詰まらせます。

その結果として起きるのが——

  • 心筋梗塞(心臓の血管が詰まる)
  • 脳梗塞(脳の血管が詰まる)
  • 狭心症(心臓への血流が不足する)

どれも命に関わる、または重篤な後遺症が残りうる病気です。

 

脂質異常症になりやすいのはどんな人?

  • 脂っこい食事・甘いものが好き
  • お酒をよく飲む(特に中性脂肪が上がりやすい)
  • 運動不足・座りがちな生活
  • 喫煙している
  • 肥満気味(特にお腹まわり)
  • 家族にコレステロールが高い人がいる
  • 甲状腺機能低下症・糖尿病などの基礎疾患がある

 

まずできる生活習慣の改善

軽度であれば、生活習慣の改善だけで数値が改善するケースもあります。

食事のポイント

  • 飽和脂肪酸(バター・ラード・肉の脂身)を控える
  • 青魚(さば・いわし・さんま)を週2〜3回食べる
  • 食物繊維(野菜・きのこ・海藻)を積極的に摂る
  • 甘い飲み物・お酒・揚げ物を減らす(中性脂肪対策)

運動のポイント

  • ウォーキング・軽いジョギングなどの有酸素運動が効果的
  • 1日30分・週5日程度が目標

 

まとめ

  • LDLが高い・HDLが低い・中性脂肪が高い、いずれかで脂質異常症と診断される
  • 自覚症状なく動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まる
  • 食事・運動の改善が基本。必要に応じて薬物療法も行う
  • 他の生活習慣病(高血圧・糖尿病)と重なると、リスクがさらに高まる

コレステロールや中性脂肪の異常を指摘された方は、放置せず早めにご相談ください。

当クリニックでは、脂質異常症の診断・食事指導・薬物療法を行っています。高血圧や糖尿病など他の生活習慣病と合わせた総合的な管理も得意としています。お気軽にご来院ください。