「血圧が高い」と言われたら——数値の意味と放置するリスク
健康診断で「血圧が高めですね」と言われたことはありませんか?
自覚症状がないため、「少し高いだけだから大丈夫」とそのままにしてしまう方も少なくありません。しかし、高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれる怖い病気です。
今回は、血圧の数値の読み方と、高血圧を放置することのリスクについてわかりやすく解説します。
血圧の数値ってどう読むの?
血圧は「上の血圧(収縮期血圧)/下の血圧(拡張期血圧)」という2つの数値で表されます。
- 上の血圧(収縮期血圧):心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力
- 下の血圧(拡張期血圧):心臓が拡張して血液を受け取るときの圧力
日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室で測定した場合の高血圧の基準は「上140mmHg以上、または下90mmHg以上」とされています。
しかし、130〜139mmHg(上)または80〜89mmHg(下)でも「正常高値血圧」として、すでに注意が必要な段階なのです。
「症状がない」のに、なぜ危険なの?
高血圧のやっかいなところは、多くの場合、自覚症状がないことです。頭痛やめまいを感じる方もいますが、血圧が相当高くなるまで何も感じない方がほとんどです。
血圧が高い状態が続くと、血管は常に強い圧力にさらされ続けます。その結果、血管の壁が厚く硬くなる「動脈硬化」が進行します。動脈硬化は全身の血管で起こり、以下のような深刻な病気を引き起こすリスクがあります。
| 影響する臓器 | 起こりうる病気 |
|---|---|
| 脳 | 脳卒中(脳梗塞・脳出血) |
| 心臓 | 心筋梗塞・心不全・狭心症 |
| 腎臓 | 慢性腎臓病・腎不全 |
| 眼 | 高血圧性網膜症(視力障害) |
これらの病気は、命に関わったり、後遺症が残ったりするものばかりです。高血圧そのものは症状がなくても、じわじわと体のダメージが蓄積されているのです。
高血圧になりやすいのはどんな人?
高血圧には、遺伝的な要因もありますが、生活習慣が大きく影響します。以下に当てはまる方は、特に注意が必要です。
- 塩分の多い食事が好き
- 運動不足・座りがちな生活
- 喫煙している
- お酒をよく飲む
- 肥満気味(特にお腹まわりが太い)
- ストレスが多い
- 50歳以上(加齢とともにリスクが高まります)
まず何をすればいい?
高血圧と診断された、または「血圧が高め」と言われた方にまずおすすめしたいのは、家庭での血圧測定を習慣にすることです。
病院でだけ血圧が高くなる「白衣高血圧」や、反対に自宅でのみ高くなる「仮面高血圧」というケースもあります。毎日決まった時間(朝起きてすぐ・夜寝る前)に測定し、記録しておくと、医師も正確な判断ができます。
また、食事の改善(特に減塩)や適度な運動など、生活習慣の見直しだけで血圧が改善するケースもあります。薬が必要かどうかは、医師と相談しながら決めていきましょう。
まとめ
- 高血圧の基準は「収縮期血圧 140mmHg以上、または拡張期血圧 90mmHg以上」
- 「130〜139mmHg(収縮期)または80〜89mmHg(拡張期)」でも注意が必要
- 自覚症状がないまま動脈硬化が進み、脳卒中・心筋梗塞のリスクが高まる
- 生活習慣の改善と定期的な受診・家庭血圧の測定が大切
「少し高いだけ」と油断せず、早めに対処することが、将来の大きな病気を防ぐ第一歩です。気になる方はお気軽にご相談ください。
当クリニックでは、高血圧の診断・治療・生活習慣指導を行っています。健診で血圧の異常を指摘された方、家庭血圧が高めの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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