循環器科

家庭血圧測定のすすめ|正しい測り方と数値の目安

ご自宅で日々の血圧を測定・記録することは、ご自身の体の状態を正しく知るための大切な習慣です。

この記事では、家庭血圧測定がなぜ大切なのか、正しい測り方や数値の目安、当院での取り組みについてご紹介します。

白衣高血圧・仮面高血圧について

病院や健診の場で測定した血圧だけでは、実際の血圧を正確に把握できないことがあります。

緊張などで一時的に血圧が高くなる「白衣高血圧」や、反対に病院では正常なのに普段は高い「仮面高血圧」など、診察室での測定だけでは見えない血圧の変動があるためです。

白衣高血圧の方は、健常な方と比べて2〜3倍、将来的に高血圧へ移行しやすいといわれており、注意が必要です。

ご自宅での血圧測定は、こうした普段の血圧の状態を知るために役立ちます。

家庭血圧の測り方の基本

当院では、朝晩1日2回の測定をおすすめしています。

  • 朝は起床後、排尿を済ませてから、座った状態で1分程度安静にしてから測定します
  • 夜は就寝前に測定します。入浴後や飲酒後は血圧が変動しやすいため避けましょう
  • それぞれのタイミングで2回ずつ測定できると、より良い記録になります

正常値・注意すべき数値の目安

家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧の基準とされています。

日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」から、これまで年齢によって分かれていた基準が統一されました。

また、家庭血圧で収縮期が125〜135mmHg、拡張期が75〜85mmHgの範囲は「正常高値血圧・高値血圧」と呼ばれ、高血圧の方と同様に将来の動脈硬化疾患のリスクが高いとされています。

家庭血圧が135/85mmHg以上の方はもちろん、125/75mmHg以上の方も注意が必要です。

血圧記録の活用法

血圧手帳やスマートフォンのアプリなどを利用して、日々の血圧を記録しておくことをおすすめしています。

家庭血圧測定はただの記録だけでなく、日々の生活習慣を見直す意識改革(行動変容)を促すことにもつながり、健康寿命を延ばすためにも非常に有用です。

また、初めて受診される際も、家庭血圧の記録があると診療がスムーズに進みます。

どのような時に受診・相談すべきか

家庭血圧を測定し、血圧が125〜134/75-84mmHgの範囲にある場合は、塩分制限や運動など生活習慣を見つめ直す良い機会です。

健診などで糖尿病や脂質異常症、慢性腎臓病などの合併症を指摘されている場合は受診をおすすめします。

家庭血圧を1週間程度測定し、平均135/85mmHg以上と高血圧レベルであれば受診をおすすめします。

当院の考え方・診療の進め方

当院では、可能な限り家庭血圧の記録を参考にしながら診療を行うようにしています。

初診でもまずは家庭血圧の測定から始めることが多く、必要な方には血圧計のレンタルもしています。

また、必要な方には血圧手帳をお渡ししており、お薬による治療で血圧が安定した後も、毎日の血圧測定を続けていただき、外来診療に役立てています。

診察室でよくあるご質問

Q. 高血圧の薬は、飲み始めるとやめられないと聞きますが本当ですか?

A. 基本的には、治療を継続していただくことが多いです。

高血圧の治療は将来の病気を防ぐための予防医学であり、血圧を目標の範囲にコントロールし続けることに意味があります。ただし、年齢が若く、生活習慣を大きく改善できた場合には、お薬をやめられる可能性もあります。

Q. 血圧が低い時は薬を飲まなくていいですか?

A. 処方されているお薬は、自己判断で中止せず、定期的に内服することが基本です。

ただし、ふらつきなど症状を伴うほど血圧が低くなっている場合は、中止や減量を行うこともあります。また、季節によって降圧薬の調整を行うこともありますので、気になる場合はまずご相談ください。

Q. 何回も測って低い値が出ればそれでよいですか?

A. 1回の測定機会で4回以上測定することは推奨されていません。

低い値を求めて何度も測定すると、腕の血流が悪くなり、かえって正確な数値がわからなくなることがあります。ありのままの数値を教えていただくことが重要です。

Q. 血圧計はどこで売っていますか?

A. ドラッグストアや家電量販店、インターネットなどで購入できます。

上腕で測定するタイプが推奨されており、「管理医療機器」の表示があるものを選ぶとよいでしょう。スマートフォンと連携し、測定値をアプリへ自動で記録できるものもあります。

まとめ

家庭血圧を毎日測定し記録することは、ご自身の体の状態を知るための第一歩です。ぜひ健康管理の為に生活に取り入れましょう。

数値が気になる場合や、高血圧の基準に当てはまる場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

監修医 足達 宣(院長) 医学博士・循環器専門医・総合内科専門医 あだち循環器科内科クリニック(福岡県筑後市)
医師プロフィール